お正月のいわれ

年神様 (としがみさま)とは

田畑で作物が、よくできるようにまもってくれる農耕の神様の事を言います。
祖先の霊ともいわれ、お正月に、高い山からみんなの家へおりてきて、新年のしあわせをさずけてくれる来方神です。
地方によっては、お歳徳(とんど)さん、正月様、恵方神、大年神(大歳神)、年殿(としどん)、年爺さん、若年さんなどとも呼ばれているようです。


年越しの行事 (としこし)

大晦日(おおみそか)から元旦にかけて、行なわれる行事を、年越しといいます。
年越しの夜のことを、除夜(じょや)とも言います。
夕方、太陽が沈むまでに正月の準備をすべておわらせ、家族みんなで年神様をおむかえし、一晩中起きているのが習わしとしてあり、この夜に早く寝ると白髪になるとか、皴(しわ)が寄るとかいった、言い伝えがあります。

初詣

その年の年神様がやってくる方角(恵方/えほう)にある神社に出かけ、寝ないで新年をむかえる「除夜詣(じょやもうで)」と、元旦におまいりする「元日詣(がんじつもうで)」がありました。
大晦日に、除夜の鐘を聞きながら新年をむかえる「初詣」はこれらをいっしょにしたものだといわれています。

年神様

初日の出

初日の出と一緒に、年神様が現れるといわれています。
初日の出を、拝む場所はいろいろですが、とくに高い山の頂上でむかえる
日の出をことを 「ご来光(らいこう)」といいます。


門松

木のこずえに神が宿ると考えられており、門松は年神様を家に迎え入れるための依代という意味合いがあります。
また、お正月に年神様が、おりてくるときの目印として、木を立てたのが、もともとの始まりだともいわれています。
地域の言い伝えにより、松を使わない所もあるそうです。



鏡餅

おもちはもともと、神様にささげる大切な食べ物でした。
室町時代ごろから、お正月に年神様に、お供えするために飾るようになりました。
神秘的な力をもつと、考えられていた鏡を、かたどって丸い形となったそうです。



縁起物

縁起物の象徴

は夫婦愛

松は常碧木なので、年中色が変わらず、不変の健康・隆昌・長寿を現し、木材は建築棟染めに用いられ、葉は「枯れて落ちても二人連れ」と、夫婦愛の象徴とされ、多くの樹木の中から選ばれた木です。


は成長

竹の幹は、緑で真っすぐで、葉もまた緑色で四時変色しないので、悪いよこしまな心の無い・つつみ隠す心のない・わだかまりがない・さっぱりとした性質のたとえに引用されます。
又、竹には節があり、その節目節目に、真っすぐに成長するように思いが込められています。


は豊かな生活

「梅は百花にさきがけて咲く」と言われるように、寒い冬をじっと耐え、春の訪れを知らせてくれることから、喜びの象徴とされています。
花のあでやかさは縁起物として愛され、又高貴な香りは豊かな生活の象徴ともされています。

お飾り

お飾りは、年神様への目印

しめ飾り

しめ飾りは、家の玄関や、神棚に飾ります。
これは、年神様に家の中が神聖ですと、知るらせるための印となります。
初めは、しめ縄をはっていたりいましたが、今では、しめ飾りや、輪飾り、リース状になった物など、多く使われているようです。


(だいだい)

橙は、冬熟れて黄色になり、春先になっても落ちず、さらに大きくなっても落ちないところから、橙のように、親子代々の健勝を祈り、おめでたいとされたものです。


裏白(うらじろ)

裏白は、葉の裏が白いことから、夫婦が白髪のはえるまでの共にいられるような、例えになっています。
また葉が左右相対していることを、夫婦和合の象徴とされています。
また、心の潔白をも意味しているそうです。